先日このタイトル「キツい営業ラクな営業」という本を読んだ。と言ってもKindle書籍なのでケイタイで読んだのですが。
その中ですごく納得できたことが多くためになったのでメモとして残しておきたい。
この本の目的は営業の就職や転職にあたってどのような点に注意するべきか、その選択を間違えれば、キツい、正しい選択をすればラクであるということを論理的に説明しています。
要するに就職する会社ですでにキツさ、ラクさは決まっている。その選択こそが重要で、入ってからの営業力などの人間性は関係が殆ど無いと言っています。
自分もメーカー勤めで営業をやっていて同感することがとても多く、このような本は見たことがありませんでした。
文系量産型営業マン
このワードがすごい身にしみた。染み込んできた。
自分も同じ文系で営業マンとなっており、文系の学生であればほとんどが営業部門になることを就職活動まで気付いていいない。テレビで見るような間接部門の品質管理や法務、広報になることなんてまず無い。
これは就職の要項を見ればわかる。間接部門はすでに人がいて欠員が出ない限り募集はしない。
もしくは営業で働いていて、何らかの問題が出た場合に間接部門に移動させられるということもきく。
一方営業職は売上拡大基調での人員不足、退職が割と頻繁であるため、募集がかかる。
なので文系選択の時点で営業職は間違いない。そのため数はめちゃくちゃ多いです。
営業同期が20人、30人いるなんてこともあるでしょう。
そこで量産型営業マンを聞いて、ガンダムのジムやザクを思い描いてしまった。でもそれが真実なのでしょう。
いくつもの戦場に方方に散っていっていく感じを想像していただければわかると思います。
自分は量産型営業マン何だなぁ。なんだか腑に落ちて、真実を突きつけられて少しえぐさも感じる言葉であった。
装備する武器・戦場で大きく変わる
著者のヤコバシ氏が言うにはその量産型営業マンであるジムに装備させる武器(商品)と戦場(市場)、独自性で戦い方(要するにラクさ)が大きく影響すると言っています。
今無理やり必要のないものを販売している会社は本来であれば淘汰されるべき会社でそれを無理やり存続させようとするからツラいと。
武器が強く、優位な戦場(例えば崖の上から下に攻めるみたいな)であれば労少なく利多いでしょうが、そういう会社は少ない。
競合多数であるコモディティ商品を不特定多数に販売するのはキツい、想像に余りあります。例えると元寇や、玉砕のようなことを想像してしまいます。
量産型はジム、というビームサーベルとビームライフルしか持っていないようなものと信じ込んではいけません。
量産型といっても量産型ニューガンダムのような機体も存在する。
そうなればジムでゴチャゴチャやっているよりも圧倒的に楽だ。要するに労少なく利多しという状態です。
競合が少なく、代えがたい業界それが化学業界
そんな業界は今の世少なくない。ただ存在しているといいます。それは化学業界。
今の生産物には少なからず化学薬品が投与されています。確かに市場広大ではあります。
でもそれは逆に言えばコモディティでは?競合多数では?とも思いませんか?
実はそうではない。今の製品というのは4M変動という言葉があり、Machine(機械)、Man(人)、Material(材料)、Method(方法)が変わることに特に敏感で、よほどのメリットや変えざる理由がない限りはそのまま使用する。
ココに入り込んでいるのが化学薬品というわけです。しかもそれが汎用ではなく、特殊製品であれば代え難くその販売寿命は長い。つまり勝手に売れていく。
自分の経験からいうとこの4Mを変えると必ず何らかのトラブルが起きます。それが顧客に影響があるかは別にして、歩留まりが悪くなったり、最悪クレームになります。
ですので営業からするとかえんなよ!と突っ込むのが普通です。
仕組みで営業する
この長寿命製品で、独自性があるものと言うのが営業でのラクさにつながっています。
仕組みを作ったらそれ自体が稼いでくれます。
自分もかつて弱小部門にいたことがあり、毎日のように圧倒的ライバルが取らないようなしょぼい現場ばかり無理して営業していたこともありました。
その頃は注文書なんでとてもありがたいものでした。注文書来たぁ!となるくらい。
それがたまたま異動があり、化学業界とは違いますが他部門になって毎日のように注文書が来る。大小は別にしてそれはちょっとした仕組みがある市場なので当然といえば当然ですが。
その仕組がある業界が化学業界なのでしょうね。本当に素晴らしいし、経営者もそこを作るのが仕事だと思います。
就職活動をする時点での仕組がある業界という観点があまりないでしょう。特に新卒の場合は。
なぜかと言うとそう言いう仕組がある業界はあまりその仕組をアピールしていないような気がします。しているかもしれませんが、ほかの華々しい有名会社のアピールに影を潜めています。
確かに我社は安定しており、心配ありませんというのはパンチに欠けます。それよりも広告をバンバン打っているような会社、最先端のテクノロジーをアピっているような会社が魅力的に映るのは仕方ありません。
営業力で何とかできることは少ない。だからこそ業界と製品をしっかり選ばないといけない。
痛感したこと
キツい営業は思考力と体力を確実に奪っていき、思考停止にまで追い詰めます。それがブラック企業です。
もし今、きつい状況であるならそれが当たり前と思ってはいけません。
かつての自分も夜遅くなることが多かった時期があります。11時頃の退社や土日出社なんで普通なんてこともありました。
ただ一回定時に会社を上がったことがありました。その時の驚きは今でも覚えています。
18時頃でしょうか、電車めちゃくちゃ混んでんじゃん。
というか君たち仕事終わっているの??めちゃくちゃ驚きました。こんなに定時に上がる人達が多いのかと。
それからは自分のツラい状況は当たり前ではないと考えました。いまでも同じ会社ではありますが、当時よりもマシにはなってきました。
でもこの本を読んで更に、今の会社を考え直すことも必要なのかなとも思います。
仕組みは強力であってもコモディティではあってはNG
この製品が売れる仕組みが強力であればあったほうが良いですが、それは他社も同じ条件であっては意味がありません。
これはすでに起こっていますが、仕組みが強力であってもコモディティ化している製品もたくさんあります。これは案外知らない事かもしれません。
必ず必要なものではあるが(製品や法的に)、ただコモディティ化しているというのが自分の属する市場です。
これはこれでツラいと思うこともあります。売り子営業のような無駄な鉄砲を打つことは無いですが、利益が無いのが特徴です。売れるは売れるが、どこまで行っても価格競争から抜け出せません。
転職や就職活動をするにあたってヤコバシ氏のような明確な指針がある方が本当に助かります。自分の営業力は、大きな製品や市場の前ではほぼ無力です。
どれだけ名刀を持っていても、銃撃舞台の前では無力なのと同じです。刃牙の範馬勇次郎みたいなことは起こりえません。
今転職活動やツラいと思っている人、就職活動をしている方にはとても参考になります。そして今働いている人にこそ痛感させる本だと思いました。
一気に読んでしまいました。ありがとうございます。